会社名

松屋製粉株式会社(日本製粉グループ)

所在地

栃木県河内郡上三川町

設立

1958年(昭和33)8月

事業内容

そば粉、そばミックス粉の製造販売および小麦粉の販売
特殊粉製品(小麦粉、コーン、胚芽類の焼成など加工品)
および米粉の受託製造

そば粉製粉業界大手の新たな挑戦、そして新しい歴史を刻む

そば粉・そばミックス粉の製造において、国内屈指のシェアを誇る日本製粉グループの松屋製粉株式会社様(以下松屋製粉)。

安心・安全をモットーに、麺種・事態・規模を問わず、幅広く製麺メーカー様のご要望に対応し続けております。普段私達が口にしているお蕎麦も、もしかしたら松屋製粉のそば粉で作られているかもしれません。

近年では、「お蕎麦の魅力をより一層理解してもらいたい」、「地域のお客様との交流を深めたい」をカタチに、そば打ち体験教室やそばツアーなどを企画されております。

一方で、競合他社が積極的なWEB施策を打ち出す中、リアルの場だけでなく、WEBにおいても松屋製粉らしさを訴求していく必要性が高まってきました。

WEB施策の最初として、フォーバルでは企業の顔としていくための土台作りに向けた要件定義・設計支援を行い、そのカタチとしてWEBサイトを一新しましたが、当時の経緯と現状について、総務部次長小湊様、総務課長塚田様にお話しを伺いました。

企業の情報基地の土台としてのWEBサイトが上昇の兆し

フォーバル 担当課長 平瀬 純(以下平瀬):早いもので、WEBサイトを見直して1年が経ちました。見直す前より良くなったことはございましたか?

松屋製粉株式会社 総務部 次長 小湊 康弘様(以下小湊様):まず、直接お客様からの声というものは聞いてはいないのですが、社長や専務からの話として、関連会社様から「以前のWEBサイトと比べて、見やすく、分かりやすくなった」という声をいただいています。

関連会社の方々がそのように感じてくれているということは、他の利用者も近いことを感じてくれていると思っています。

通販担当からは、WEBサイトの一新当初はリピーターの方から、「通販の入り口が分からない」というご指摘があったものの、入り口を分かりやすい位置に追加設置したことで解消されました。

こういった柔軟な対応には、全体を通じてとても助けられました。ここ数カ月で注文数が増えてきて、これから期待できると聞いています。悪い話も特にないですし、今のニーズにはある程度応えられているのではないでしょうか。

松屋製粉株式会社 総務部 次長
小湊 康弘 様

平瀬:確かに、見やすさと分かりやすさという点では、再設計を通じて改善されたかと思いますね。目で見て目的のページへたどり着かせる「視覚検索」を意識した結果の表れかなと。

また、現在は必須とも言えるスマートフォン対応や、そば教室や通販の見直しなど、さまざまな施策を実施した結果なのかもしれません。

ちなみに、検索順位も「栃木 そば粉」で1位、「そば製粉」「そば粉 製粉」でも10位以内で表示されるようになってきました。地名のないワードでの検索は、以前は検索しても下位表示(20位以下)でしたから、企業の情報基地の掲載場所としても上昇の兆しを感じています。 それは訪問数にも表れていて、1年経っても以前より多くの訪問数を安定してカウントできています。

松屋製粉株式会社 総務部 総務課長 塚田 直保様(以下塚田様):そうですね。確かにそれもあったのですが、 どれだけ頑張って作っても、誰からも気づいてもらえなければ意味がありませんし、 露出の場所が広がってきているのは良い兆候ですね。

平瀬:設計では広告に頼らない「自然検索」を意識したときに、御社らしさを分かりやすく、とにかく見る側にとって必要と思われる情報や文章を自然に表現することを意識しました。

私もSEOに関わって10年以上経ちますが、一貫して変わっていないのが、 「ユーザーが求める情報を、検索結果の上位に表示させることをgoogleは重要視している」という点です。

私には、SEOの専門業者のようなノウハウはありません。だからこそ小手先なことは一切せず、基本に忠実に、見る側にとって分かりやすいかだけを追求しました。そこに技術も何もありません。いかに我が子のように愛情を持てるか、それだけです。

言われたことを鵜呑みにせず、常に物事を俯瞰して見るということ

平瀬:当時を振り返りまして、今でも印象に残られていることはございますか?

塚田様:まずは、スケジュールの管理ですね。 スケジュール表や課題管理表などの必要書類をすべて作成し、見える化し、定例会のたびに更新してくださったので、進捗管理が非常にスムーズでした。

また、弊社側も本業との兼ね合いで、なかなか当初のとおりには進まなかったのですが、すぐに調整案を持ってきてくれて「ここをこのようにすれば大丈夫です」等、丁寧に説明をしてくれて常に私たちを安心させてくれました。

制作時では、議題に行き詰まっている時には代替案とは思えない提案をしてくれて、本当に助けられたことが印象に残っています。

松屋製粉株式会社 総務部 総務課長
塚田 直保 様

平瀬:ありがとうございます。 スケジュールに関しては、当初立てたとおりに進むことなどなかなかありません。逆に無理やり合わせようとすると、どこかで弊害が生じ、結果、双方にとって良くないことになってしまいます。だから、私はあくまで、道筋として提示し、常に行き止まりや先の見えぬ暗闇はないよう意識していました。

代替案については、常に自分の心の引き出しには閉まっており、いざというときに出すようにしています。何もないよりも、何かがあることで話がより進むからです。 実際にこちら側から提示することで、そこで新たな気付きや反応がありました。

塚田様:確かに、目の前にカタチとなった資料がある・ないでは、話の進行に大きな違いがありましたね。

実際、弊社の強みを考えるときは本当に悩みました。 当初、自分たちから見たら「弊社の強み」については、他社と比較してもこれといったものがないのではと思っていましたので…。

どんな小さなことでも日本一を諦めてはいけない、と何度もおっしゃってましたよね。いろいろな視点で考えてくださり、話し合いを重ねるなかで自信と自覚が持てるようになり、WEBサイトへの公開を決断できました。

平瀬:これはWEBサイトに限った話ではないのですが、あらゆる情報が身の回りにある中で、 「自分たちらしさは何だろうか?自分たちにしかできないことは何だろうか?」といった自信や自慢を見つけることがとても重要です。

あの時、御社のお話をそのまま受け入れるだけだったら、強みについての話は膨らまずに終わっていたかもしれません。

常に少し上から物事を俯瞰して見ること。これによって、受けた言葉に対して違った回答も見えてきました。結果、さまざまな強みの要素が出てきたのだと思っています。 もちろん、今回のプロジェクトに携わっていただいた、日本製粉システムセンターの安川様の他グループの会社視点もとても大切でした。

関わるべきメンバー、共に考え抜いたことが大きかったと思います。

株式会社フォーバル コンサルティングディビジョン
担当課長 平瀬 純

小湊様:確かに、自分達だけではまず浮かばなかったですね。実際、WEBサイトに来訪してくれている方も、お取引先様、採用を考えている方、 競合他社等、様々かと思います。

その人たちに対して、あたりまえだと思ってやっていたけれど、気づけなかった強みを明確にできたということは、来訪者に対してのアピールにもなりますし、総じて大きかったのかと思います。

平瀬:今や、WEBと経営は切っても切れない時代になっています。 そのなかで、WEBサイトの出来栄えがその企業の評価となってしまうと言っても過言ではありません。 同時に、WEBサイト単体で成果を出すというのも難しくなってきております。

御社のターゲットユーザーの行動の仮説を立てて、その行動上においていかにもてなすことができるか。 そういった意味でも、何らかの後押しになってくれていると感じております。

第三者の視点から生まれた発言は
自分たちらしさを気付くいいきっかけとなったと振り返る

今後築き上げた土台にどれだけ積み上げられるか

小湊様​:更新業務を、日本製粉システムセンターの安川さんに お任せすることで土台はできたものの、以前と変わらぬ「専属担当者の不在」もあって、 地元産のそばに関する情報や、各メンバーが地域と一緒に活動している情報等ネタはあるのですが、 なかなか思うように更新ができていないのが課題です。

平瀬:このような問題は御社に限ったことではありません。 実際、多くの企業様で専属のWEB担当を置いているところはまだまだ少ないと思います。

どうしても、WEBへの優先度が思うように上がらないからなのですが、 この場合は、WEBサイトへ来訪してくる方々の期待に応え続ける、 すなわち来訪者自身が抱えている問題解決をし続けることが重要です。

これにより、信頼される=ブランドの価値が高まっていくからです。 沢山の競合がひしめくなかで、企業独自のブランドの価値を上げるということは、とても大きなことであり、その一旦を担うのがWEBであるということを、より社内のメンバーへ認知してもらうことが必要かもしれません。

塚田様:実際、弊社でも「ブランディング」には力を入れ始めており、 そこにWEBが大きな影響をもたらすということも理解しています。 ユーザーが必要な情報を、土台にどこまで積み上げられることができるかが肝ですね。

平瀬:御社内で対応できる人員は限られています。そのため、御社で掲げられている経営理念を根底にしたうえで、WEBサイトの立ち位置と目指すべき姿、そして現状とのギャップを課題とし、優先順位を付けて一極集中でやられるとなお良いですね。

あれもこれもではどっちともつかずになってしまいますから。 引き続き宜しくお願いいたします。

松屋製粉社屋前にて

本プロジェクトを共に進めた日本製粉システムセンター 安川篤様より

平瀬さんとは早いもので、5年以上の付き合いとなります。

正直なところ、平瀬さんはかなり不器用な方。ただ、それを補って余りある熱意があり、相手のことを相手の立場で考えてくださる方です。そういった人間性が魅力的であり、ご一緒したプロジェクトでのチームビルディングに欠かせない存在になっています。

弊社でも、さまざまなWEB制作を行いました。同じ会社に依頼して、成功したことも失敗したこともあります。会社が良くても、担当者次第でプロジェクトの可否が大きく変わるため、私はプロジェクト成功の要因は会社ではなく、メンバー次第になると思っています。 そのため、私は会社名など関係なく、「人」との付き合いを最重視しています。たびたび平瀬さんとは見解の相違もあったりしますが、それでも依頼し続けたいと思わせられます。

そして、そんな平瀬さんと長年仕事をさせてくれるフォーバル様の柔軟な体制にも感謝しています。 WEBサイトは構築して終わりではなく、運用や更新、追加作成などのほうが重要なので、これからも引き続きよろしくお願いいたします。

(2017年4月取材時)