プリント基板を製作するよりも難しかった会社の基盤を皆の力を合わせて作ってきた3年半

会社名

株式会社ナックプロ

所在地

埼玉県和光市下新倉

設立

2000年(平成12年)7月

事業内容

・プリント基板設計・製作
・基板アッセンブリ及び組立配線
・電子機器の開発・設計・製造
・電子部品販売
・ハード・ソフト開発

従業員数

7名

プロとしてあたりまえのことをとにかく一生懸命行い続けるものづくり集団

埼玉県和光市でプリント基板設計・製造・販売・電子部品実装・販売を営む株式会社ナックプロ様(以下ナックプロ)。

電子機器の心臓部となるプリント基板は、ほんの僅かなミスが大きな問題に繋がるため、常に真剣に製造に取り組んでいます。プロとしてあたりまえのことをとにかく一生懸命にやり続けた姿勢こそが、15年以上の歴史を築き上げてきたのかもしれません。

近年では中国との連携も深めるなど、堅実に歩み続けていかれているなかで、なぜフォーバルへのコンサルティングを依頼しようかと思われたのでしょうか?そして、約3年半に渡る支援を通じて感じられた大きな変化とは何だったのでしょうか?代表取締役の平井啓介社長に話をお伺いいたしました。

新たな気付き、業界特化型のコンサルティングが全てではないということ

フォーバル チーフコンサルタント 小林 直紀(以下小林):本日はお忙しい中ありがとうございます。

早いもので、御社をご支援させていただいてから約3年半が経ちました。当初は、外部へコンサルティング依頼することに対して悩まれていたことを覚えています。そのような中でも、弊社へコンサルティングを依頼しようと思われたきっかけについて教えていただけますでしょうか?

ナックプロ 平井 啓介社長(以下平井社長):そうですね、これまでコンサルティングの提案というものを受けたこともありませんでしたし、当時、コンサルティングとは、その業界に長くいる方が行うものなのか、そうではないのかという何となくの迷いがありまして。

ただ、小林さんからいただいた提案内容がドンピシャでした。とても大切なことだなと思いましたし、業界に精通している人だけがコンサルティングができるわけではないのだなと。

一気に迷いが無くなり、依頼をしようと決めました。

株式会社ナックプロ 代表取締役
平井 啓介 様

小林:ありがとうございます。平井社長のおっしゃるとおり、実際、世の中には、業界特化型のコンサルティング会社も多く存在しています。

一方で私たちは、特定の業界業種に特化している訳ではありません。

それは、多様な業界業種に触れているからこそ気付けること、ご提案できることがあると考えているからです。むしろ、その方が良い方向に働くこともある。実際に、ビジネスのヒントは、同業よりも他業種の方が多かったりします。極端に偏り過ぎない点は、私たちの強みのひとつとも言えます。

平井社長:確かにそうですね。

改めて提案内容を思い出しても、「外の目から見られると、経営のこんなところまで分かってしまうのか!?」と衝撃を受けたのを覚えています。それもフォーバルの幅広い経験があってのことだったのですね。毎回のコンサルティングでも視野が広がる話をしていただけましたし、弊社にとっては業界特化型でなかった方がプラスだったと感じております。

不思議だった、1人が加わるだけでこんなにも自分の意識が変化するなんて

小林:コンサルティングを開始してからは、計画づくりや現場を巻き込んでの会議体など、さまざまな支援を行ってきました。

改めて振返りまして、平井社長の中で最も印象に残られていること、そして感じられた変化は何だったでしょうか?

株式会社フォーバル チーフコンサルタント
小林 直紀

平井社長:私の中でこれまでは「良いものを作り続けてさえいればそれでいいんだ」と思っていたのです。しかし、フォーバルにコンサルティングに入っていただいたことで、それだけではいけないのだと気付かされました。

企業体として、どう在るべきか?在るべき姿に対してどう進めていくべきか?明らかに考える範囲が広がりましたね。作っているものは同じでも、そこに込められたものがまるで違ってくるなど、意識面で明らかな変化を感じております。

小林:確かに最初の頃は、良いものを作るという気持ちの方が強かったと思います。しかし、それが日々のやりとりを重ねていくにつれて、徐々に変化していきました。

そしてその想いが、後に作られた経営理念『プロフェッショナルである事を常に意識し、持てる力を製品に反映させ無駄なく、適正な価格で良質な製品をお客様に提供する事を責務とする。個人の発展を会社の発展に、会社の発展を社会の発展につなげ「想像」を「創造」に変えていく』にも現れましたね。

平井社長:そうですね、経営理念の中で、以前の考えだけでしたら「社会の発展」はまず出てこない言葉です。

会社の発展を社会の発展につなげなくてはならないと
考えるようになったと振り返る

理念浸透を諦めない…!その気持ちが現場にも響きはじめている

小林:コンサルティング支援策のひとつとしまして、現場の社員を交えた全体会議をはじめました。会議体についてはいかがでしょうか?

平井社長:もともと、私自身が「良いものを作り続けてさえいれば良し」という考えでしたから、大半の社員も同じ、もしくは全く違う考えでした。

しかし、毎月の定例会議を開催しフォーバルが入ってくれたことで、経営理念に基づいて行動することが、現場の社員にも少しずつですが浸透してきていると感じています。

小林:そのようにおっしゃっていただけるとありがたいです。現場の社員の皆様に、平井社長の想いをどのようにして伝え浸透させるかがひとつの大きなポイントでしたから。

課題もいろいろお願いしましたが、最初の頃は合格点を与えられる状態ではありませんでしたし、やってくれなかった方もいらっしゃいました。無理もありませんよね。皆様、日々の業務で忙しいなかで、突然見知らぬ外部の人間が現れ、ああだこうだ言ってくるのですから。

ですが、宿題に取り組むことは、ナックプロにとって働く皆様にとって大切なことであることを伝え続けました。それ以外にも、気付きを与えるためのさまざまなワークを行いました。

少しずつ少しずつ、そしていつかきっとの想いで。説得ではなく納得してもらうために。日々の積み重ねの結果だと思っています。

理念浸透を諦めない想いが、現場社員にも伝わってきている

社員の1年間の目標が記された自己宣言シート
社内の目に見える場所に貼られている

理念実現に向けて、これからも共にひとつひとつ課題を解決していきたい

小林:これからのフォーバルに期待することは何でしょうか?

平井社長:これまでの3年半と同様に進めていただければと思いますね。

その時その時で課題は変わってきます。目の前が変化すると、つい進むべき方向が違ってしまいがちですので、そこを軌道修正してもらいながら、一緒にひとつひとつ課題を解決していけたらと思います。

小林:そうですね、平井社長の考え抜かれた理念の実現に向けて、現場の社員の皆様と共に、1つずつ課題を解決していきながら前へ進めていければと思います。引き続き宜しくお願いいたします。

エントランス前で

編集後記

プリント基板ではなく、会社の基盤を共に創りあげてきた平井社長と小林。二人の間にある信頼関係は言葉で表しきれません。

また、人生初のプリント基板の設計・製造現場を見学させてもらいましたが、想像を絶するほど細かな作業をされていました。皆様は一言で「職人」です。私もかつてものづくりの会社にいたので何となく分かるのですが、職人肌が強い方ほどなかなか思うように動いてもらえない傾向にあります。私も相当の気を遣いましたし、会議をしても全く発言がなく、話を振っても反応がなくて困ったことも。

しかし、ナックプロでは1人1人が考え、発言をし、議論をされていました。それはどれだけ個々の特徴が異なっていても、目指す方向が一致しているからに他なりません。これまでの3年半が今の会議体を物語っていると感じました。引き続き理念を目指したお手伝いができればと思います。
(2017年6月取材時)