会社名

サナダ精工株式会社

所在地

大阪府南河内郡千早赤阪村

創業/設立

1974年(昭和49年)5月/1977年(昭和52年)4月

事業内容

プラスチック製品の企画・製造・販売
主要品目:家庭用品

従業員数

135人

創業からの志を胸に、新たなチャレンジスピリットをカタチに

創業からの志「やったらええがなスピリット」を胸に、プラスチックメーカーとして、 大手100円ショップやホームセンターを中心に、日本製のロングライフ製品を世に生み出し続けている サナダ精工株式会社様(以下サナダ精工)。

私たちが何気なく使っているプラスチック製品も、 もしかしたらサナダ精工の手掛けた製品かもしれません。

環境への意識が高まる中、プラスチックの存在が、私たちの環境において悪影響を与えているという報道が増えてきています。「今のままで良いのだろうか?」と 疑問を抱いていたときに出会ったのが大久保秀夫塾。

そこで学んだ数々の気づき、 そして学びを実践するために立ち上げた「組織活性化プロジェクト」発足の経緯と結果。 これらについて眞田和義社長にお話しを伺いました。

経営の迷いをなくしてくれた大久保秀夫塾との出会いと学び

フォーバル コンサルタント 佐藤 良美(以下 佐藤):眞田社長が感じられていた課題は何だったのでしょうか?

サナダ精工 眞田 和義社長(以下 眞田社長):いろいろありますが、やはり一番は「環境問題」ですね。当社で取り扱っているプラスチック製品は素材的に土に還らないですから。

実際多くのプラスチック素材が無駄に扱われておりますし、海岸沿いには無数のプラスチックのゴミが散乱していることも少なくない、誤飲した生物が死に至ったということもある。いつかは問題にはなるだろうと、漠然とですが感じておりました。

佐藤:これまでは漠然だった状況から、社長の中で明確な問題意識へと変わっていかれたきっかけはあったのでしょうか?

眞田社長:きっかけは大久保秀夫塾です。そこで100年ビジョンの必要性を学び、当社の不変の100年ビジョンを決定させた時、100年後に残る企業になるには、絶対に解決していかなくてはならない課題であると私の中で明確になりました。

佐藤:100年ビジョンが明確になった。だから30年後の姿・10年後の姿を定めることができて、現状とのギャップも見えやすくなり、課題意識も明確になったということですね。眞田社長の中で、大久保秀夫塾との出会いは大きかったと言えますか?

眞田社長:はい、非常に大きかったですね。このような機会を与えてくださったフォーバル、そして大久保塾長にはとても感謝しております。

サナダ精工株式会社
代表取締役 社長 眞田 和義様

学びを実践に、発表会の実施と組織活性化プロジェクトの発足

佐藤:大久保秀夫塾での学びを実践する最初のビッグイベントとして、2015年11月に目指すべき100年ビジョンを従業員の皆さまの前で発表するという出来事がありましたね。

私達コンサルティングディビジョンは、ここから発表会の計画実行支援というカタチで参画させていただきました。当時を振り返っていかがだったでしょうか?

眞田社長:はい、あれは弊社にとりましても、私自身にとりましても大きな転換期となりましたね。すべてはあの発表会から始まりましたから。

これまで、弊社であのような発表会をしたことはなかったため、全てが初めてのことでした。またスケジュールもタイトだったのですが、フォーバルの皆様が「さすが」という舵取りをしていただいたので大変助かりましたし、信じることができました。

まあ、あの時はお任せするしかなかったのですが(笑)。けど本当に良かったと思っています。

株式会社フォーバル
コンサルタント 佐藤 良美

眞田社長:会社として、経営者の私の想いが込められている理念・100年ビジョンを、現場のスタッフ全員に共有するだけでなく、いかに浸透させるかが非常に重要だと考えていました。

また、同じ部署だけでなく、部署の壁を超えて、皆が同じ方向を向かなければどれだけ良い計画を立てても、思うようには事が進みません。そして、これを実現させるのは、決して簡単なものではない。そのためにプロジェクトを立ち上げようと決断しました。

佐藤:眞田社長の並々ならぬ想いを感じます。

実際、組織活性化プロジェクトが始まってからは、私が月に2度の研修を行い、皆の力を結集させる必要性と重要性を多角的な視点で伝えて続けていきました。

1年以上の長いプロジェクトとなりましたが、開始前と開始後で何か変化を感じることはありましたでしょうか?

眞田社長:現場を見ていて、理念・ビジョンは以前よりも確実に共有されているのを感じました。

あとは共通の価値観が生まれ、それがいいカタチで派生していっているなと。例えば、ある業務を行う上でも、その根底に理念・ビジョンが存在していて、それに基づいているんだなという意識をもとに仕事に取り組んでいる。佐藤さんの研修をきっかけに、自分達で考え行動してくれているなと感じました。/p>

個人差はありますが、塾での学びが確実に実践できている。確実に良い方向へと変化しています。

佐藤:確かに研修を重ねるにつれて、プロジェクトメンバーの言葉がそろってきたという実感があります。

そして、それを大なり小なり自発的に行動に移しているなと。全てが変革につながっているわけではありませんが、それだけ多くの色々なことに積極的に挑戦する姿がありました。例えば、プロジェクトメンバーがお客様の声をまとめて業務改善に尽力する等、これこそが社長の仰る「変化」になるのでしょうか。

眞田社長:はい、そうですね、そのように感じています。1年前では考えられなかったことです。

組織活性化プロジェクトの研修風景

プロジェクトメンバーの変化が他のメンバーにも影響

佐藤:私のなかで2016年秋に行った「全体会議」が強く印象に残っています。

弊社が、さまざまな場面で、全体会議の計画立案支援に関わることが多いのですが、とにかく段取りが非常に大変です。そのような中で、プロジェクトメンバーを筆頭に、各部門の皆様が幾度となく協議を行い、今までにない取り組みをプログラムに加え、やり抜いたということはとても大きかったと思います。

眞田社長:そうですね、かなり分かりやすくなりました。

繰り返しですが、一番大きいのが、それぞれがやらなくてはならないことが、理念・100年ビジョンが根底にあって、それに基づいて考えられていることです。だから3ヵ年計画の進め方においてもブレがなく、明確になっているのだと思います。

2016年 全体会議にて

サンクスカードでありがとうの輪を広げる

佐藤:企画の1つとして「サンクスカード」を導入しました。

それぞれが感謝の想いを小さな文章で伝えることで、互いを認め合うといったことにもつながる。組織活性化プロジェクトをきっかけに、皆様が要素を加えて新しいことを生み出してきました。会社全体としての変化は感じられてますか?

眞田社長:開始当初の頃を思えば、浸透してきていると感じています。

今や多いときで月100枚を超えるときもあり、3月も80枚くらいのやり取りがありました。80~100枚を推移し続けており、弊社にとってあたりまえな存在になってきたなと思います。

佐藤:ご一緒していて、本当に素晴らしいと感じたのは、多くのプロジェクトメンバーが真剣に私の話に耳を傾けてくれて、そこで得たことを私がいないところで自発的に動かれていることです。

例えば、サンクスカードの表彰を突然行ったときは驚きました。ありがとうと言われた時こそが一番の幸せであり、大きなやりがい、サンクスカードが今後自部門だけでなく他部門にも広がっていくことで、やがて、組織全体を見てみようというきっかけにもなることを期待しています。

サンクスカードの一部
サナダ精工キャラクター「サナダくん」と「セイコちゃん」の
表情がそれぞれ違っている

ゴール無き組織活性化プロジェクト、これからもフォーバルと共に歩み続ける

佐藤:実際、すでに1つのことを、他の部門と力を合わせてやっていこうという姿勢がとても見られるようになりましたよね。

眞田社長:はい。実は、組織活性化プロジェクト以外でもさまざまなプロジェクトが動きはじめているのです。

どれも他部署との共創が欠かせません。しかし、以前のような部署内・部署外の壁はなくなっているように思えます。すべては理念・ビジョンとつながっているのです。

佐藤:このような取り組みにはとても共感できます。例えば、派遣社員の方に対しても取り組み、派遣社員の働きやすさにまで意識されていらっしゃる点は、とても素晴らしいと思いました。

眞田社長:そうですね。これもまた、10年ビジョンで掲げた働きやすい会社No.1を目指す、というものから生まれたものです。

結果的に今の時代にもとてもタイムリーなものとなりました。国が定めてから取り組むのと、言われる前に先行して取り組むのでは大きな違いがあります。

100年ビジョンの実現を目指して、これからもどんどん取り組んでいきたいですね。引き続きご指導の程、宜しくお願いします。

佐藤:こちらこそ、これからも御社の黒子としてお供させていただきます。本日はありがとうございました。

サナダ精工キャラクター「サナダくん(左)」
グループ会社 不動技研キャラクター「フドウさん(右)」と一緒に

編集後記

取材を通じて、社長ご自身の中で「在り方経営」の大切さを感じられているのが、言葉の節々から感じられました。「企業は人なり」と言いますが、まさに、その言葉に基づく考えと実践をされていらっしゃいます。

モノづくりだけでなく、理念・ビジョンに共感するヒトづくりへも本気となったサナダ精工様の、今後のさらなる挑戦がとても楽しみです。
(2017年3月取材時)