働き方改革への関心の高まり

働き方改革への注目が集まり、働き方改革関連法の成立に至るきっかけともいうべき広告代理店の新入社員の過労自殺が起こったのは2015年末のことである。

この一件はテレビや新聞でも大々的に取り上げられ、政府も労働環境の改善に向けた取り組みを進めることになった。翌年9月には首相の私的諮問会議として「働き方改革実現会議」が設置され、安倍政権が掲げる一億総活躍社会実現に向けた注目政策として具体的な内容が審議されるに至った。

その後、2018年に入ると、働き方改革関連法案は主要法案の中でも最重要と位置づけられ、内閣により国会に法案が提出された。急ピッチな審議ののち、半年後の6月末には参議院本会議で可決成立した。

この働き方改革関連法は正式名称を「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」と称する。関係法律とは、労働基準法、労働安全衛生法、パートタイム労働法など、労働に関わる複数の現存する法律のことであり、それを改正・整備することを目的とする法律である。

この法律は、現在の政権が掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けて、

1.長時間労働の是正
2.多様で柔軟な働き方の実現
3.雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

の3 点について進めることで、「働く方々が、それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現」することを目的としている(※1)。

つまり、働く人の立場に立ち、労働環境を改善していくことが改革の骨子である。

また政府は、事業主の責務として以下のように述べている。

「事業主は、労働者の「職業生活の充実」を責務とします。労働時間の短縮や労働条件の改善など、労働者が生活との調和を保ちつつ意欲と能力に応じて就業できる環境の整備に努めなければなりません」

魅力ある職場をつくることで、これまで述べてきた「人手不足」についても解消が期待できると考えられている。「魅力ある職場づくり」→「人手不足解消」→「業績向上」という循環を作っていくことが、政府が中小企業に対して提示している考え方である。

※1:政府広報「中小企業も!働き方改革」
https://www.gov-online.go.jp/cam/hatarakikata/about/index.html

ブルーレポートの発行者

株式会社フォーバル ブルーレポート制作チーム

フォーバルは1980年に創業以来、一貫して中小企業と向かい合い、現在20,000社以上にサービスを提供している。フォーバル創業者の大久保秀夫は東京商工会議所副会頭、中小企業委員会委員長としても活動。今後フォーバルが誰よりも中小企業のことを知っている存在を目指し、良いことも悪いことも含め、現場で中小企業の生の声を集め、実態を把握。そのうえで関係各所へ提言することを目的に、プロジェクトを発足。