中小企業を取り巻く社会情勢(現状と課題)

いよいよ2020年に迫った東京五輪。これまで何度か抽選がありましたが、なかなかチケットが取れず、ネット上でもブーイング状態です。

しかし、それ以上にブーイングでは済まされず、致命的になりかねないことが、東京五輪後の景気急降下という事態。様々なメディアで危惧されています。

しかし、実際のところはどうなのでしょうか?中小企業経営のことなら誰よりも詳しい存在になること、そして、日本の中小企業にとってなくてはならない存在になることを目指しているフォーバルでは、中小企業経営者実態調査を実施。

昨今の中小企業が置かれている状況や課題にフォーカスし、実態を把握した上で、その解決に向けた糸口を探り続け、『For Social Value ブルーレポート(以下、ブルーレポート)』としてまとめました。

こちらのページでは、ブルーレポートのなかから、中小企業を取り巻く社会情勢(現状と課題)~国内の経済動向~について記載いたします。

ここではまず、国内の経済動向について整理することにします。

内閣府の月例経済報告(2019年3月※1)では、景気について「このところ輸出や生産の一部に弱さも見られるが、緩やかに回復している」「先行きについては、当面、一部に弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待できるでしょう。

ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある」としています。

「景気は緩やかに回復」の見方は維持しつつも、景気全体の判断については3年ぶりに下方修正しました。

国内景気については、ここ数年の好調さは続いているものの、先行きの不透明感から今後については警戒・懸念する声も徐々に出始めています。

国内総生産

次のグラフは、国内総生産を名目、実質(※2)の双方で示したものです。2007年以降、1月時点の結果を元にした推移ですが、2018年は実質GDPで534兆円、前年比の成長率は0.7%と、前年(2017年)の成長率1.7%と比較すると勢いは減ったものの、成長を続けていることがわかります。

※1:「月例経済報告(平成31年3月20日)」(内閣府)
※2:名目GDPとは、一定期間(通常は1年間)に国内で生産されたモノやサービスの合計額のこと。実質GDPはそれから物価変動による影響を除いた額。国の成長度をみるときは実質GDPを参考にすることが多い。

短観・業況判断DI

企業の景況感を示す指標である日銀短観(※3)での業況判断DIも、ここ数年は景気判断が良い傾向が続いています。

大企業や中堅企業と比べると中小企業の業況感は低いものの、全体としては好調であるといえるでしょう。

※3:日本銀行の全国企業短期経済観測調査。景気が良いと感じる企業の割合から、悪いと感じる割合を引いたもの(DI値で示される。「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つから選択)。調査は四半期ごとに年4回実施される。

景気動向指数

景気動向指数(※4)をみても、大きなマイナス局面がない時期が続いているために景気がよいと判断される傾向が強いです。

こうした指標からは総じて景気は良いとされ、景気回復の長さも戦後二番目だといわれることが増えました。企業収益の改善、投資の増加、雇用環境の安定など、よい循環が生まれているといえます。

ただし、近年の一進一退の状況をみたとき、いわゆる「足踏み」の状況が続いていることから、大きな成長もなく推移しているとの指摘があるのも事実です。

※4:内閣府が毎月公表している経済指標で、景気に関連する生産活動、金融、消費から物価など、様々な指標をもとに指数を出す。CIとDIの2つの指数がある。

CI(Composite Index)は様々な統計結果を活用してひとつの指数を作成する。一方のDI(Diffusion Index)は前年度比較で増加・不変・減少に分類し、その割合から算出する指数。ここではCIで変化を示している。

グラフにある「一致指数」とは現況とほぼ一致している指標で、企業利益や求人倍率などの11の指標を合成して作成される。

「先行指数」とはその一致指数から数カ月前に変動するとされるもので、東証株価指数や実質機械受注など12の指標で合成する。「遅行指数」は現況に遅れて動く指数のことで、実際の経済活動の結果としての完全失業率や法人税収入、消費者物価指数などがある。

消費者物価指数(CPI)

総務省統計局が毎月発表している消費者物価指数(※5)によると、消費増税が行われた2014年に高い上昇率がみられましたが、その後は安定的な動きとなっています。モノを買う人が増えれば上昇率は高まりますが、逆に買う人が少なくなれば下降傾向を示すといわれています。

昨今、景気は良いといわれる一方で、物価指数が上昇しているとまではいえず、消費者の買い控え傾向が続いていると考えられます。

※5:消費者物価指数(CPICustomer Price Index)は商品やサービスの小売価格を集計した指標で、物価の変動をみるのに役立つ。

国内の経済動向のまとめ

国内景気

ここ数年の好調さは続いているものの、先行きの不透明感から今後については警戒・懸念する声も徐々に出始めている。

国内総生産

前年(2017年)の成長率1.7%と比較すると勢いは減ったものの、成長を続けている。

短観・業況判断DI

短観・業況判断DIは、大企業や中堅企業と比べると中小企業の業況感は低いものの、全体としては好調

景気動向指数

大きなマイナス局面がない時期が続いているために景気がよいと判断される傾向が強い(景気回復の長さも戦後二番目)。

近年の一進一退の状況をみたとき、いわゆる「足踏み」の状況が続いていることから、大きな成長もなく推移しているとの指摘があるのも事実。

消費者物価指数(CPI)

景気は良いといわれる一方で、物価指数が上昇しているとまではいえず、消費者の買い控え傾向が続いている。

続きはブルーレポートをご覧ください

以上、ブルーレポートのなかから、中小企業を取り巻く社会情勢(現状と課題)~国内の経済動向~(P8~P10)についてご紹介させていただきました。続きが気になる方は、是非以下からダウンロードのうえ、ご覧いただければと思います。

 

この記事の著者

平瀬 純

飲料業界のルートセールス等を経て、2005年にWEB業界へ挑戦。主にディレクターとして企業規模・業種問わず幅広い案件の進行管理を経験。現在は株式会社フォーバルコンサルティングディビジョンで顧客対応から、Web運用、セミナー企画・運営、後方支援等幅広い業務をこなす。一般社団法人ブランド・マネージャー認定協会1級保持者。